1. 古代の宗教や哲学
古代ギリシャやローマでは、感情的に敏感な人々は「予言者」や「霊媒」としての役割を果たすことがありました。これらの人々は、神々や精霊と繋がり、人々の感情や未来を読み取る力を持つとされていました。特に、神殿や儀式の場で感受性の高い人物が重要な役割を担いました。
2. インドの伝統とチャクラ
インドの伝統医学やスピリチュアルな哲学では、エネルギーセンターである「チャクラ」が重要視されています。特に「ハートチャクラ」は感情と共感の中心とされており、エンパス的な性質を持つ人は、このハートチャクラが特に発達していると考えられています。
3. 19世紀のスピリチュアリズム
19世紀にスピリチュアリズムが流行し、人々が霊的な感受性に対する関心を持つようになりました。この時期に、感受性の強い人々が霊媒師やヒーラーとしての役割を担うことが多くなり、エンパス的な特質が重要視され始めました。
4. 心理学における共感の研究
20世紀に入ると、心理学者たちは「共感(エンパシー)」の概念を研究し始めました。特に、カール・ロジャースなどの心理学者は、共感がカウンセリングや治療の場で重要な役割を果たすことを強調しました。共感はエンパスの基礎となる概念であり、エンパスという用語が使われる前から、心理学の世界ではこの特質が注目されていました。
5. 「エンパス」の登場
「エンパス」という言葉が一般的に使われ始めたのは、20世紀後半から21世紀にかけてです。特に、スピリチュアルな文脈で他人の感情やエネルギーを感じ取る人々が「エンパス」として認識されるようになり、この概念が広まっていきました。心理学とスピリチュアルな世界の双方で「エンパス」という用語が使用されるようになり、自己理解や人間関係における重要な概念として受け入れられました。
6. 現代のエンパス
現代では、エンパスは共感力の高い人を指す一般的な言葉として使われ、特に感情的なケアやヒーリングの分野で注目されています。エンパスに関する書籍や自己啓発の分野でもこの特質が取り上げられ、多くの人が自分自身をエンパスと認識し、感情的な健康やバランスを保つための方法を学ぶようになっています。