エゴイストとは、自己中心的な行動を取り、自分自身の利益や幸福を他者のそれよりも優先する人のことを指します。心理学では、このような自己中心的な振る舞いや思考パターンを、自我（エゴ）に対する過度の注目や重視と捉えることがあります。エゴイストは自己の欲求、利益、満足を追求する過程で、他者の感情やニーズを軽視したり、無視したりする傾向があるとされます。

エゴイズムはしばしばフロイトの精神分析理論における自我（エゴ）の機能と関連付けられます。自我は、個人の現実適応と衝動制御のバランスをとる役割を持ちますが、エゴイストの行動は自己の欲求を適切に調整し、社会的規範や他者との関係性を考慮する自我の機能が偏っていることを示唆しています。

また、エゴイズムを自己愛（ナルシシズム）と関連付けて考えることもできます。極端な自己愛を持つ人は自己顕示欲が強く、他人からの賞賛や承認を求める行動をとりがちですが、これは自己の利益を最優先するエゴイストの特徴と重なります。

エゴイズムは、一見すると個人の成功や目標達成に役立つように思えるかもしれませんが、対人関係においては摩擦や衝突の原因となり得ます。自己と他者のバランスを考え、エゴイスト的な傾向を適度に抑えることが、より健全で満足のいく人間関係を築く鍵とされています。